おやこデジタルくらし便り編集部

スクリーンタイムの目安は?年齢別の考え方と無理のない減らし方、何から始めればいい?

スクリーンタイムの目安は?年齢別の考え方と無理のない減らし方

年齢ごとの目安を知り、家族で話し合いながら無理なく画面との距離を整える方法

スクリーンタイムの目安は?年齢別の考え方と無理のない減らし方(イメージ写真)

「うちの子、また動画を見てる…」と感じながらも、何時間までならいいのか、どう声をかければいいのか、迷ったままになっている保護者の方は少なくありません。スクリーンタイムの「正解」は家庭によって異なりますが、年齢ごとの発達の特性を踏まえた目安を知っておくだけで、会話のスタート地点がぐっと見つけやすくなります。こども家庭庁や内閣府も「禁止よりも話し合い」を推奨しており、親子でルールを決めるアプローチが今の主流です。この記事では、就学前から中学生までの年齢別の考え方と、日常生活に無理なく取り入れられる具体的な工夫を紹介します。焦らず、家族のペースで読んでみてください。

そもそも「スクリーンタイム」とは何を指すのか

スクリーンタイムとは、スマートフォン・タブレット・テレビ・ゲーム機など、画面のある機器を使っている時間の合計を指します。ただし、すべての画面時間が同じわけではありません。学校の授業でタブレットを使う「学習目的」の時間と、動画をひたすら流し見する「受動的な消費」の時間では、脳への影響も子どもの満足感もまったく異なります。大切なのは「何時間か」だけでなく「どんな使い方か」を一緒に見ていくことです。まずは「うちの子は今どんな画面時間を過ごしているか」を親子で振り返ることから始めると、ルール作りの議論がスムーズになります。iPhoneなら「設定」→「スクリーンタイム」、Androidなら「設定」→「デジタルウェルビーイング」で週ごとの利用状況を確認できます。数字を「責める材料」にするのではなく、「一緒に現状を知る」ための情報として使いましょう。

年齢別の目安:就学前(0〜5歳)

世界保健機関(WHO)をはじめ、国内外の公的機関や小児科の専門団体は、2歳未満はビデオ通話を除き画面使用を避けること、2〜5歳は1日1時間以内を目安とすることを提唱しています。この時期の子どもは、画面よりも「人との会話」「外遊び」「手を動かす体験」から発達の刺激を得ます。テレビをつけっぱなしにする「バックグラウンドTV」も、子どもの注意を散らし言語発達に影響するとされるため注意が必要です。もし動画を見せる場合は、親が隣に座り「あ、リンゴだね」と声かけしながら一緒に見る「共視聴」を意識すると、受動的な消費から学びの時間に変わります。

年齢別の目安:小学校低学年(6〜8歳)

小学校に入ると、ゲームや動画への興味が一気に広がります。内閣府の調査でも、この年代からスマートフォンやゲーム機の使用が急増する傾向が見られます。目安としては、学習・創作用途を除いた娯楽スクリーンタイムを平日1〜1.5時間、休日2時間程度に設定している家庭が多いです。大切なのは「時間になったら強制終了」ではなく、「キリのいいところで終わる練習」を親子でしていくことです。たとえば、ゲームなら「次のセーブポイントまで」、動画なら「このエピソードが終わったら」といった形で、子ども自身が終わりを決める習慣を作ると、自己調整能力が育ちます。

年齢別の目安:小学校高学年〜中学生(9〜15歳)

この年齢になると、SNSやオンラインゲーム、動画配信など、つながりを伴う使い方が増えてきます。友人関係とデジタルが結びついているため、「スマホを取り上げる」という方法は孤立感を生むリスクがあります。文部科学省も、一方的な禁止よりも「メディアリテラシー教育」と「家庭でのルール共有」を推奨しています。目安として、就寝1時間前にはスクリーンをオフにすることが、睡眠の質を保つうえで特に有効とされています。iPhoneの「スクリーンタイム」では「休止時間」機能(「設定」→「スクリーンタイム」→「休止時間」)を使うと、特定の時間帯にほぼすべてのアプリを使えなくする設定が親子で一緒に行えます。「親が勝手に設定する」のではなく、「どの時間にする?」と子どもに選ばせることがポイントです。

家族会議でルールを決める:具体的な進め方

こども家庭庁は「家族みんなで話し合ってルールを決めること」の重要性を繰り返し発信しています。実際に家族会議を開く際は、以下の流れが効果的です。①現状を数字で共有する(前述のスクリーンタイム機能を活用)。②「困っていること」を子ども・親それぞれが一言ずつ話す。③「守れそうなルール」を子どもが提案する形にする。④ルールは紙に書いてリビングに貼る。⑤1〜2週間後に「どうだった?」と振り返りの場を設ける。親が一方的に決めたルールより、子どもが参加して決めたルールのほうが長続きします。最初は小さな一歩で十分です。「夕食中はスマホを置く」といったシンプルなことから始めてみましょう。

OSの機能を使ったサポート:iPhoneとAndroidの設定例

機器の設定を使うことで、ルールを仕組みとして支えることができます。【iPhone / iPad】「設定」→「スクリーンタイム」をオンにすると、①アプリごとの利用時間制限(「App使用時間の制限」)、②就寝前の休止時間設定、③成人向けコンテンツのフィルタリング(「コンテンツとプライバシーの制限」)が設定できます。ファミリー共有を使えば、保護者のiPhoneから子どものデバイスを一括管理できます。【Android】「設定」→「デジタルウェルビーイングと保護者による使用制限」から、アプリタイマーや就寝時間モードを設定できます。Google ファミリーリンクを使えば、保護者のスマホから子どものAndroidデバイスのアプリ承認や利用時間管理が可能です。設定する際は「こういう機能があるんだけど、一緒に設定してみようか」と子どもに声をかけ、透明性を保つことが信頼関係の維持につながります。

減らすより「替える」発想:オフライン時間の作り方

スクリーンタイムを「ただ減らす」だけでは、子どもにとって何かを奪われる体験になってしまいます。代わりになる楽しい時間を一緒に作ることが、長期的には最も効果的です。具体的には、週に一度「アナログゲームの夜」を設ける、料理を一緒にする、図書館に行く、近所を散歩しながら話すといった、画面を使わない家族の時間を意識的に増やしていきましょう。また、親自身のスマホの使い方も子どもは見ています。「子どもには制限して、親は自由に使う」というダブルスタンダードは、子どもの反発を招きやすいです。家族全員が「画面から離れる時間」を共有することで、ルールが文化として定着していきます。

うまくいかない日があっても大丈夫

ルールを決めても守れない日は必ずあります。それは失敗ではなく、調整のサインです。「なぜ今日は長くなったの?」と穏やかに聞いてみると、「テストが終わってホッとした」「友達とゲームの約束があった」など、子どもなりの理由が出てきます。その話をきっかけに「じゃあ次はどうしようか」と一緒に考えることが、自己管理能力を育てる一番の近道です。総務省の情報通信白書でも、デジタル機器との付き合い方は「一度決めたら終わり」ではなく、家庭で継続的に見直していくプロセスが大切だと示されています。完璧を目指さず、家族みんなで少しずつ整えていく姿勢が、結果として一番長続きします。

スクリーンタイムに「完璧な正解」はありませんが、家族で話し合いを続けること自体が、子どものデジタルリテラシーと自己管理力を育てる最良のプロセスです。焦らず、今日できる一歩から始めてみてください。こうした家族のデジタルバランスに関するヒントを定期的にお届けしています。よければ「おやこデジタルくらし便り」のニュースレターもご登録ください。

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