おやこデジタルくらし便り編集部

祖父母の家でのゲーム・動画ルール、どう伝える?

祖父母の家でのゲーム・動画ルール、どう伝える?

帰省や週末の預かりで困らないために、家族みんなで共有できる穏やかな伝え方

祖父母の家でのゲーム・動画ルール、どう伝える?(イメージ写真)

夏休みやお盆、年末年始――祖父母の家に子どもを預けるとき、「うちのルール、どう伝えよう?」と頭を抱えた経験はありませんか。祖父母はかわいい孫のためにと特別扱いをしてくれる一方で、普段の約束が静かに崩れていく……そんな帰省あるあるに悩む親御さんはとても多いです。大切なのは、祖父母を「困った存在」にせず、同じチームとして巻き込むこと。そして子ども自身にも、場所が変わってもルールの意味を理解してもらうこと。この記事では、穏やかに・具体的に・家族全員が納得できる形でルールを共有するステップをご紹介します。

なぜ祖父母の家だけルールが崩れやすいのか

祖父母にとって孫は「特別な存在」です。普段できない体験をさせてあげたい、という愛情から、ゲームや動画の時間が普段の倍になってしまうことは珍しくありません。また、デジタル機器の設定や仕組みに不慣れな場合も多く、「子どもが自分でやっていたからいいかと思った」という声もよく聞きます。さらに、子ども自身も「おじいちゃん・おばあちゃんの家では特例」という空気を敏感に察知します。これらは誰も悪意がない状況。だからこそ、責めるのではなく「事前に仕組みを整える」視点が重要です。内閣府の青少年インターネット環境整備の資料でも、家庭でのルール共有と大人同士の連携が効果的であると繰り返し示されています。

まず自分の家のルールを「見える化」する

祖父母に伝える前に、自家のルールを紙1枚にまとめましょう。口頭で「適当に決めている」状態では、第三者には伝わりません。記載する項目の例:①1日の利用時間(例:平日30分・休日1時間)②使ってよい時間帯(例:夕食後〜19時まで)③使っていいコンテンツ・アプリの種類(例:YouTubeキッズのみ、オンライン対戦なし)④守れなかったときの対応(例:翌日は使わない)。小学校低学年(6〜8歳)はイラスト入りで、中学年以上(9歳〜)は文章で書くと子ども自身も読みやすくなります。家族で話し合って作ったルールなら、子どもも「自分たちで決めたもの」として受け入れやすくなります。

祖父母への伝え方——責めずに「助けてほしい」と頼む

ルール表ができたら、祖父母への伝え方を工夫しましょう。大切なのは「お願い」のトーンであって「指示」ではないこと。例えば「うちではこういうルールで育てているので、できれば同じようにしてもらえると助かります。○○(子の名前)もすごく楽しみにしているので、ゲームは一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです」という言い方は、祖父母を仲間として位置づけています。また、「ルールの理由」をひと言添えると理解が深まります——「寝る直前にゲームをすると眠れなくなってしまうので、19時以降はなしにしています」など。文部科学省も、家庭でのメディア利用のルールは子どもへの説明と大人間での共有が大切と呼びかけています。

子ども自身に「自分のルールを説明する力」をつける

祖父母に頼むだけでなく、子ども自身がルールを言葉にできることが大切です。帰省前に親子で練習してみましょう。「おばあちゃんに聞かれたらどう答える?」とロールプレイするだけで子どもは自信を持って伝えられるようになります。具体的な練習例:「ゲームは1時間って決めてるから、タイマーかけてもいい?」「動画はYouTubeキッズだけ使ってるよ」。小学校中学年(9〜10歳)以上なら、自分でタイマーをセットする・終わったら自分でやめる、という行動をセットで教えると、祖父母も「本人がちゃんとやってる」と安心して任せられます。子どもが自分でルールを守る姿を見せることが、信頼の積み重ねにもなります。

デバイス設定で「仕組み」として支える

ルールを口頭で伝えるだけでなく、設定で補強しておくと祖父母の負担も減ります。iPhoneの場合:「設定」→「スクリーンタイム」→「休止時間」で使用できない時間帯を設定、「App使用時間の制限」で1日の上限を設定できます。Androidの場合:「設定」→「Digital Wellbeing」→「ダッシュボード」からアプリごとの上限時間を設定可能。YouTube Kidsアプリを事前に設定し、通常のYouTubeアプリをスクリーンタイム制限でブロックしておく方法も有効です。Nintendo Switchの場合:「Nintendo みまもり Switch」アプリ(保護者のスマホにインストール)から利用時間・コンテンツ制限をリモートで管理できます。「仕組みがあるので大丈夫です」と祖父母に一言添えると、双方の安心につながります。

帰省後の「振り返り」で家族の絆を深める

帰省から戻った後、「どうだった?」と子どもに聞いてみましょう。責めるためではなく、次回につなげる会話として。「おばあちゃんと一緒に何のゲームした?」「ルール守れた?難しかったところある?」というオープンな問いかけが、子どもの正直な声を引き出します。もしルールが守れなかった場合も、「なぜそうなったか」を一緒に考えることが大切で、罰を与えるよりもルールそのものを見直すきっかけにする姿勢が効果的です。こども家庭庁も、子どもとの対話を通じたルールの見直しと継続的な関わりを推奨しています。祖父母との帰省は、子どものデジタルとの付き合い方を家族全体で深める良い機会でもあります。

祖父母と一緒に楽しめるデジタル体験も提案する

「制限する」だけでなく「一緒に楽しむ」提案もセットにすると、祖父母も前向きに関わりやすくなります。例えば、Nintendo Switchの『マリオカート』や『太鼓の達人』は世代を超えて楽しみやすく、祖父母と子どもが自然と会話しながら遊べます。写真アプリで「おじいちゃんの昔の写真をスキャンする」体験は、デジタルを家族の記憶をつなぐツールとして使う良い例。動画なら、子どもが好きな動物や料理の動画を一緒に見て話すのも立派なコミュニケーションです。「画面の前で黙って見るだけ」から「画面を囲んで話す」スタイルに変えるだけで、デジタルの質が変わります。祖父母が楽しめる体験を1つ提案しておくと、「ゲームの時間以外にすることがない」という状況を自然に防げます。

祖父母の家は、子どもにとって「特別な場所」であり続けてほしいもの。デジタルのルールも、禁止の圧力ではなく家族みんなの合意として共有することで、祖父母も子どもも、そして親御さん自身も安心して過ごせます。毎回完璧にいかなくても大丈夫。少しずつ積み重ねることが、家族の文化になっていきます。こうした家族のデジタルバランスに関するヒントを毎月お届けしている「おやこデジタルくらし便り」のニュースレターも、ぜひご活用ください。

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